息子と楽しむ天空のイワナ達

標高2000m、天空のイワナに会いに行きました
行先は南アルプス野呂川支流の北沢です



 

思い付きの日帰りなので急いで準備・・・
亡き息子の遺影をスマホに保存
釣り券は「つりチケ」で手配しスマホに画像保存
(現地のバス待ちの時に漁協監視員さんのチェックがありました)
釣り装備、登山装備準備
線香をあげて出発です



 

前日20:00頃に出発、24時頃に仙流荘バス亭駐車場到着・・・
東海、関東、関西、中国、東北・・・各方面のナンバーの車がズラリと並んでいて
駐車場は8割以上埋まっていました
登山届を提出し、居合わせた登山客と情報交換して車中泊 zzzzz
寒いのでシュラフを羽織りました
・・・ここまではスマホの電波がありました



5時起床・・・始発は5:30なので寝坊です(笑)
往復乗車券を購入して並ぶと長蛇の列の最後尾付近です・・・乗れるんだろうか??
北沢峠からの登山コースは全国的にすごい人気のようで
200人以上並んでいますが、釣り人は数人でした・・・



 

乗り遅れの心配は無用でした
小説を読みながら待っていると
「お一人の方いますか~?」と係の人が呼ぶので速攻挙手(笑)・・・単独者は少ないようです
1席空いた穴埋めのために、4台目のバスに乗れましたが
一番前の特等席に座れました・・・前方に広がる3000m級の山々を満喫できます
乗る直前にYAMAP起動、機内モードにチェンジ


 

2000mオーバーの北沢峠到着・・・電波ゼロ・・・寒くてブルブル・・・冬服を一枚着用
登山者はここから各登山コースに散り、一人で林道を・・・
スマホに息子がいるので、一人じゃないな・・・などと苦笑いしながら歩きます
ザイル、ハーネスを持ってこなかったので
YAMAPの地形図を見ながら入渓点を探しました



獣道を辿って降りると苔の絨毯の美しい景観・・・
できるだけ踏まないよう渓に降りて釣り装備を準備しました
前後に人の気配はないのですが、人気の渓でキャッチ&リリース区間なので
苦戦覚悟で挑みます
スマホに入れた息子の遺影が唯一の応援者・・・よし、一緒に楽しもう



シビアはシビアなのですが要所要所で飽きない程度に釣れました
ヒレが大きいパワフルな天空のイワナ達・・・会いたかった・・・
息子にも見せて、心の中で報告・・・
10本を数えた頃に、後方からフライフィッシャーが釣り上がってくるのが見えました
遠方から訪れたであろう同志に楽しんでもらうために
ロッドを仕舞って退渓・・・したいのですが、登攀装備がないので上がれません(笑)
川から遠巻きに、川伝いに登りました



 

お昼過ぎに長衛小屋に到着
小屋番さんは釣り好きのようで釣り談義していただきました
しばらくすると後方の同志も到着・・・
私がロッドをたたんだところから釣れたそうで何よりでした
小屋番さん、釣り人と釣り談義に花を咲かせていると
山の稜線の雲が動き始めたので、ここで帰ることにしました



今日は新アイテムのテストもしていました
沢登り用のシューズ、ゲーター
ラフティング用ハーフパンツ
安全で快適、足運びは軽快で疲れにくい・・・
モンベルショップで店員さんと吟味した装備は大満足の機能を発揮してくれました
釣り装備を脱いでスポルティバに履き替えてバス停まで歩きます



岩に手をかけて座ろうとして、後ろ向きに転びました
目から火花が出るほどの強打でしたが、ヘルメットのお陰で全くの無傷・・・
帽子だったら、と思うとゾッとしました
ヘルメットに感謝しなければ・・・
指さしているところがソレですが、キズついただけでメットも無事
安全装備の重要性を再認識しました



美しい流れの中、3000m級の山々を眺めながら天空のイワナ達と戯れる・・・
時々息子の遺影を開いてイワナを見せ、山河を見せ、空気を吸ってもらい・・・
この素晴らしい世界を久し振りに味わってもらえたかな??
次は北アルプスにともに行こう

私と息子のフライフィッシング

私のフライフィッシングは友人が病に倒れたのをきっかけに長い休止をしていました
そして、再開するきっかけは友人の復活ではなく、息子の一言によるものでした




私がフライフィッシングを始めたころは息子は幼児でした
多分、私が何をやっていたのかはわかっていなかったと思います
また、近所の池に釣りに連れて行っても、あまり興味を示しませんでしたが
小学校に上がった途端に「お父さん、僕も山に行きたい」と言いました
釣りもわからない6歳の子にフライフィッシングは難し過ぎるし危険なので
海で五目釣りをしようと言ったのですが
内気で素直な息子が頑として譲らないのには驚きました・・・
ならば渓流で遊び、フライフィッシングの真似事をすれば気が済むだろう・・・
釣れることはありえないので、次からは海に行く、と言うだろう・・・
という程度の思いで、山岳渓流に連れて行くことにしました




車止めから徒歩30分で行ける自然豊かな山岳渓流に連れて行きました
6歳の小さな子に遡行は無理ですから背負って遡行し
安全な場所でロッドを持たせてフライフィッシングの真似事をさせてみると
なんと、釣ってしまったのです・・・それも2匹の野生イワナを・・・
運と言ってしまえばそれまでですが
大人でも容易ではないフライフィッシング・・・運だけではなかったようです
何も知らない息子が無邪気に、無心に父親の真似事をしての結果でした
短時間の釣りをした後は水遊びをして、岸でお弁当を食べて帰りましたが
それがたいへん楽しかったようで、釣りに行くたびに着いてくるようになりました
息子が釣った魚はその場で活〆させ、持ち帰って料理させ
カミさんに食べてもらい、自分(息子)も食べることで
狩猟を体験し、命の大切さ、ありがたさを学んでもらいました



6年生の頃には息子は心身ともに大人顔負けのフライフィッシャーになりました
管理釣り場では上級エリアの大物をヒットして周囲の大人達をどよめかせ
山では、険しい難所を乗り越えて源流に降り立ち、ガンガン釣ります
普段は普通の小学生でしたが、ロッドを握れば釣り師の面構えになりました



そして夏休みは思い出造りにテントを担いで源流テン泊釣行に行きました
長く辛い行程、精神と体力の限界を試される難所の登攀下降、クマとの出会い
頭まで水をかぶりながら、流されながらのザイル渡渉
テントが凍るほど極寒の長い夜・・・
並の小学生なら泣き出すようなサバイバルを楽しむかのように味わい
無事に家に帰る喜びを味わってもらいました



中学、高校は部活が忙しく、専門学校の頃には釣りから遠ざかり
就職してからは別の趣味を始め・・・
気が向けば、また親子の釣りを再開すればいい
と思って好きにさせ、釣りの話をしなくなっていきました




随分と時が流れたある日、久し振りに息子と釣りの話をしました
 息子:父さん、あの時みたいに源流テン泊釣行したいな
 父:うん、行こうか
 息子:父さんもう歳だし、重いものはオレが背負うよ
   父さんの夢だった黒部に行こう
 父:行くか!・・・釣り道具も、装備も、もう殆どないから準備しよう
   そうだなぁ・・・来年の夏でどうだい?
 息子:わかった、約束だよ、楽しみだね
 父:うん、約束だ
こうして13年振りにリハビリを兼ねてフライフィッシングを再開
仕事が不定休の息子とはタイミングがとれないので
まずは私が単独で釣りのリハビリと準備、トレーニングを進めていきます

   




年が明けて登山訓練、源流テン泊の練習・・・よし、夏はいけるな・・・
体力のある息子のリハビリは管理釣り場だけで十分だろう・・・誘ってみるか・・・

     



そう思っていた時に、息子は急逝してしまいました・・・
内気だけど優しく、逞しくなった息子のあっけない死・・・
これからの人生を謳歌してほしかった、親子で釣りを楽しみたかった、他にも・・・
葬儀を行って息子を旅立たせた後は放心状態・・・
理由や状況はどうあれ、守ることも助けることもできなかった自分を責め
約束を果たせなかった申し訳なさに涙し
仕事から帰っても、休日も、何もする気になれず、ぼーっと過ごすようになりました



すると・・・
四十九日の法要を済ませた後に、息子が夢枕に立ちました
山の花畑にしゃがむ小さな息子が笑顔で私を見上げ
「父さん、山に釣りに行こう」と・・・
花畑に居たのは、無事天国に行けた、ということでしょう・・・




私は「はっ!」として飛び起きました・・・
GWの源流テン泊釣行練習(5/1~5/2)の深夜の怪現象を思い出したのです
息子はGWが明けてから急逝しましたが
GWの時に息子の生霊(いきすだま)が訪ねてきてくれたのではないか・・・?
息子とのテン泊は20年も前・・・
もう還暦目前の弱ったオヤジが
あの時以来の、あの時以上に険しいルートを辿っての釣行でしたが
靴ずれひとつ起こさず、本当に何事もなく帰れたのは
もしかして息子の生霊が見守ってくれたからなのではないか・・・?
 ※生霊:いきりょう、いきすだま
  生きている人間の霊魂が体外に出て自由に動き回るといわれているもの



夢の出来事、GWの出来事・・・
冷静に考えるなら、どちらも私の妄想と都合の良い解釈になりますが
無気力な私に、少しやる気が出てきたことは事実・・・息子に感謝しました
約束を果たそう、遺影をポケットに忍ばせて、テントを担いで山に行こう
遺影がボロボロにならないようにしなければ・・・
息子とともにきつい山を登り、道なき道を乗り越え、ザイルで渓に降り
息子とともにフライフィッシングを楽しみ、夜のテン場で息子と語り合おう
親子揃って飲めない酒をちびちびやりながら笑い合おう
それまでは花畑で待っててくれな・・・



また私のフライフィッシングが再開しました
夏の休暇に素晴らしい「おもひで」を造れることを夢見ています

遭難ってするんですか?その2

親しい海釣り師 A君に私の遭難対策を教えています
前回では登山、源流釣りなど山に関わる遭難の実態と
遭難対策の重要性を理解してもらい、目先で必要な装備までお話しましたが
目先の装備をすぐ揃えれるわけではないので、机上でできそうな対策も
並行して進めようということになりました




机上の対策で一番重視しているものはルート選定及び登山GPSで
私が使っているYAMAPを例にお話を進めてみました
スマホにアプリを入れ、地図をDLしてGPSとして使い
かなり正確な現在地やルートを確認しながら山行ができるもので
地図、コンパスで苦戦した時に比べて大変助かっているアイテムになります



まずは基本となる地形図を見てルート選定できるよう練習する・・・です
これには「地形図に慣れる」ことが必要ではないかと考えています
ナビ(GPS)で育ち、地形図など見たこともないA君には
国土地理院の2万5千分の1地形図は未知なるものなのですが
これが読めないと行きたい源流も選べないし、ルートもわからないし
地形図ベースの登山GPSも読めません・・・必須項目と言ってよいでしょう
まずはネット上の地形図を眺めてみるとA君も川、道、等高線くらいはわかりますが
その他はあまりわからない様子です



地形図には地形の全ての情報が表されています
記号:大変多いので、山に関係するものをまずは覚えてもらいます
等高線:10mごとに記され、50mごとに太線で記されています
 密度が高いところは急勾配になります
 また、川の部分の等高線の形状から、周囲より低く(深く)なっていることがわかります
道:破線は概ね登山道、実線は作業道くらい、二重線は一車線くらいの車道
など、この図で私が見えるものは
・川の北に車道があり標高2550m付近でクロスしてさらに北に登山道がある
・川の南、標高2350m付近から西(山頂)に向かってえぐれた崖がある
 水線がないが、雨天時は川に、春は雪渓の可能性がある
・川は標高2100m~2450mくらいまで勾配がきつく、その先は緩くなる
・標高2400m付近から西は川に崖があるので遡行の難所となりそう
・標高2400m付近が森林限界、それより上はハイマツになり
 視界が開ける可能性がある、ライチョウが見れる可能性がある
など、大まかに説明し、少しでも地形図に慣れてもらうことで
見たときに立体的に、具体的に地形が想像でき
安全なアプローチルートや遡行、無理のないスケジュールを立てられるよう
またテン場やエスケープルートなども検討できるよう頑張ってもらいます
この山域の地形図の磁気偏角についても少々解説・・・
コンパスの示す北と、地形図上の北は西偏7°50′のズレがあり
本州は概ね西偏8°くらいであることを知ってもらいました




地形図は正しく記されていても自然現象により状況が変化することも・・・
これはある源流ですが、西→東→南東に流れています
上に細い支流があり南東で合流しています
支流は、普段は水のない枯れ沢の可能性もあります
等高線密度の高いところは遡行が厳しそうですが、他は問題ないようにも見えます




近くの別の源流です・・・等高線密度の高いところに三つの滝のマーク・・・
下と真ん中の滝は周囲も崖のようで釣り師には難敵です




そこで前述の源流をよく見ると、赤丸の等高線密度が高いところは
密度だけでなく、等高線のカーブがきついことから谷が深く暗いであろうと推測できます
また、大水や地震により地形が変わって滝になっているかもしれないと疑います
滝の直登ができないかもしれないし、滝周囲も険しく危険に思えますから
遡行のルートとして
①滝の直登、滝周囲の崖を直登(できれば避けたい)
②滝から下がって標高1800m付近を北東にトラバースして細い支流を遡行
 標高1950m付近を南西にトラバースして源流に戻る
③支流の合流点まで下がって、支流を遡行し
 標高1950m付近を南西にトラバースして源流に戻る
という、滝の直登を含めて3ルートを考えました
②③は道がない山中を歩くので、こちらも危険度は極めて高いと心得ます
周囲はおろか足元も見えないくらいの藪も多く
数m進むだけで簡単にルートをロストしたり滑落します
そしてロストに気付いても元に戻れないことも多いです
そこでGPSが道迷い対策、安全装備が滑落対策になります
(GPSが無い時代に私は何度もロストをしています)




地形図に慣れたらGPSです
私が使っているYAMAP無料版を例にします



YAMAPを見ながら・・・
地形図に100年前の森林鉄道跡の実線が記されていましたが
現地は崩落が激しく道の半分以上が消滅しており、懸垂下降もしました
崩落していない所は、進む方向が全く分からないほど深く密度の濃い藪・・・
ですからGPSを目の代わりにして、全体重をかけながら藪を押し進む
「藪漕ぎ」ならぬ「ラッセル」をしていましたが
GPSが無かったら、とんでもないところに進んでしまっていたと思います
登山GPSは現在地と自分が向かう方向を示すので
正しく進んでいるのか?が即座に判断できます




この時に登山ウォッチで方角と高度を確認・・・
ここで地形図を読む練習が生きてきます
磁気偏角を考慮した方角と、等高線上の高度とウォッチの高度が合っているか?
つまり、GPSが正しく作動しているか?がわかります
GPSが絶対ではないので二重、三重に保険をかけて身の安全を確保します




スマホ他電気モノの保険・・・モバイルバッテリー
節電のためにスマホを機内モードにしてGPSを使いますが
写真を撮ったりするのでバッテリーはけっこう消耗します
夜だけでなく昼間の山中でもヘッドランプを使います
小型ランタンのバッテリーは数時間の容量です
従って大容量モバイルバッテリーは必携・・・
私は日帰り予定でも急なビバークを想定して
メイン20000mA、サブ10000mAを持っていきます
安いものでよいので選んでおくとよい、とA君に教えました




GPSが正常でも深い谷など衛星の電波が届きにくい時に誤作動があります
GPSの軌跡だけではピンポイントの登攀、下降点がわかりません
滝など難所を高巻き(迂回)する時の登り口、降り口にテープを貼って目印にしています
ゴルジュをトラバースする時も難しいポイントにテープを貼ることがあります
写真はとある険しい源流の高巻き下降点・・・
降りて、少し離れて見た時にわかりづらかったのでテープ目印しましたが
帰りに迷うことなくここから登り返していけました
道がない所は本当にわかりづらく、覚えにくく、見間違えやすいのです



行きと帰りでは渓の様子が全く違って見えることがあり
高巻き下降点から10mほど遡行して振り返り、風景写真を撮ることもあります
流れ具合、岩と木の配置など特徴を抑えておき、帰りに写真を見てテープ探しをします
類似する風景が多いので、GPSの軌跡を追いながら、近付いたところで写真と風景を照合
ここで間違いないと確信したら目印探し・・・目印を見つけたら登攀開始・・・
ここは登れるポイントが一箇所だけ、先は滝、GPSの地形図に滝のマークはありません
そこまでするの?とA君・・・そこまでするんです、山をナメると本当にヤバいよ~(笑)




続いて観天望気(かんてんぼうき)・・・雲や自然現象を見て気象を判断することです
人気な山、都市に近い山などは携帯の電波が届くところもありますが
源流釣行では電波はまず望めないと思った方がよく、携帯の気象情報が確認できません
昔ながらの観天望気で行動をしていきます





GWの源流では晴天微風、気温6~7℃の14:00頃から釣りを開始しましたが
山は午後に天候が崩れることが多いので、西の空を見ながら釣りをしていました
16:00頃に西側の稜線を上る雨雲を確認・・・スマホのズームをMaxにして観察・・・
雲の速度、風の吹き方から、1時間程度で雨が降りそうかな?
雲の厚みからすると雨量は少ないと思えますが、急激に発達することもあるので
釣りをやめてテン場探しを開始・・・
良さそうな場所を見つけて、テント設営中に雪がちらつきはじめて気温は0℃に・・・
天候がそれ以上悪化しなかったのは幸運でしたが
天候予測したことで慌てず焦らずビバーク体制に入ることができました




A君に勉強してもらうために雲の写真を見てもらいました・・・
雨雲・・・流れや発達が速いやつはヤバいです



レンズ雲です・・・嵐に発展することがあります
こいつを見たら私は逃げの態勢に入ります



積乱雲・・・いわゆる入道雲です
真下は雷雨、時には嵐のようになります
晴天でも局地的に発生することもあるので夏の午後は要注意
これが連続したものが線状降水帯というやつで
短時間に集中的に豪雨をもたらします




かなとこ雲・・・積乱雲が発達した最狂のやつです
真下は豪雨、雷嵐、雹など何でもござれの凄いやつ
積乱雲と同様、夏の午後に突如として現れ、山を蹂躙します




山で観天望気を誤るとどうなるか?
真夏の日中、標高1500mでも源流の気温が10~15℃などはよくあること
山の風雨は凄まじく、風速20mを超えて歩行困難なこともあるし
吹き飛ばされて滑落することもあります
そして体感温度は「-1℃/風速1m」
つまり、山で風雨に晒されると、夏でも体感温度は氷点下・・・
唇は紫色になり、歯がガチガチ鳴り、指が動かなくなるほどの寒さです
やがて体温が奪われ続けて低体温症→凍死・・・これが「真夏の凍死」です
そして夏の午後は荒れることがあるので、空の観察がマスト
午後に入ったらテン場候補や避難小屋も探しておくと安心・・・
山の天候変化に敏感になるのは非常に大事なことを理解してもらいました





去年の真夏の例・・・東北の標高1000mソコソコの山上湖
14:00頃までは晴天、気温30℃前後でしたが、突然西から冷風が吹き始め
登山用レインジャケットを着込んだと同時に嵐に襲われました
吹き飛ばされそうな暴風と滝のような雨、気温は10℃以下に急降下
近くの作業小屋の軒でタバコを吸いながら雨宿りしていると
ずぶ濡れのルアーマンがヨロヨロになって逃げ込んできましたが
顔面蒼白で唇は紫色・・・急いでシェルターを被せてあげて体温低下を防ぎました
観天望気ができるか否か?雨装備が有るか無いか?で生死を分けることもあります
写真は嵐が弱まって釣り再開したところです




梅雨が明けたら夏本番、源流も本番・・・
今年も素晴らしい「おもひで」をつくろうと思います