釣装備・・・JETBOIL

別のブログの釣りレポートで「JETBOIL」を少し紹介したところ
多くの反響を頂きました・・・ありがとうございます。
興味をお持ちの方が多いようですので、こちらでもレポートいたします。
実際に使っての感想や、感じたメリット、デメリットなど以下に記しますので
何かご参考になることがあれば幸いです。



高校生の頃から登山やハードキャンプも楽しんでいた私は
ガソリンバーナーを使っていました。
現在も70年代のPOCKETⅡ Model505やPEAK1 Model400を使っており
今年の源流釣行もタフなこいつらを使うつもりでしたが
たまたま手に入れたJETBOILが思いのほか良いので、こちらを使うことにしました。



さて、JETBOILです・・・
登山などアウトドア用に考案されたガス式シングルバーナーシステムです。
正規取扱いはmont-bellで、全国のmont-bellショップ、その他アウトドア店
また、ネットでも見かけるほどに広まっています。
見た目はシャレたデザインの、ちょっと高額なヤツ・・・といったところですが
見かけに違わず、なかなか良いシステムです。


JETBOILの構成について・・・
一般的にはバーナー、クッカー(鍋)、風防、スタビライザーなど個別に揃えますが
JETBOILはそれらがオールインワンになっている、お徳な構成です。
そしてコンパクトにパッキングでき、比較的軽量なところも魅力です。




最も気になる性能はどうか・・・?
熱効率が一般バーナーの2倍の80%・・・湯沸かしが速く、燃費に優れています。
ある登山家が最小サイズのガス缶(100g)一個で夏季7日間の山岳ロング縦走
(オール湯沸かし自炊)を行ったという驚異的な実績があります。



クッカーの保温性が高いので、沸騰したら火を止めて予熱調理ができるところもマル。
燃料節約ができます。
登山など、1gでも荷を軽くしたい時に、持っていくガス缶を小さく少なくできます。




しかしガス式バーナーには持って生まれた弱点の「ドロップダウン」があります。
ガス缶が冷えて圧力低下→火が消える・・・というもので、私も苦労した経験があります。
逆にガソリンバーナーはポンプ加圧式で燃料余熱ジェネレーターを装備しているので
どんなに気温が低くても安定した燃焼を得られるタフさがあります。
JETBOILはどうかというと、ガス式の弱点を補うべくサーモレギュレーターを搭載して
寒冷地に強いモデルがラインナップされています。



その「サーモレギュレーター搭載モデル」ですが・・・
現行のラインナップは、ミニモ、マイクロモなど「モ」が付くものがそれです。
私が探していたのはJETBOIL SOL・・・マイクロモの前身に当たる廃盤モデルで
根強い人気を誇る名機の誉れ高い逸品・・・勿論レギュレーターも付いています。



SOL(右)とミニモ(左)のレギュレーター部
SOLは廃盤モデル、ミニモは現行モデル・・・造りが違いますが機能は同じようです。



JETBOILはその名のごとく「湯沸かし専用」と思われがちですが
付属の専用ゴトクを使えば、一般的なバーナーと同様の使い方ができます。
ただし、バーナー出力は強くないので高火力バーナーのようにはいきません。
そして熱効率が一般バーナーと同じ程度にダウンして燃費が落ちるので
炊事計画と併せて燃料計画が重要になると思います。



バーナーは火が上を向く直噴タイプ。
大きなフライパンや鍋などを使う場合は熱が広がりにくいので
大人数の料理などは、どちらかと言えば苦手なのでしょう。



さて、入手したJETBOIL SOL(サーモレギュレター搭載モデル 廃盤)です。
現行マイクロモと同等スペックでバーナー出力がやや強いところが魅力です(1512kcal/h)
リサイクルショップで「JETBOIL SOL 難アリ(3000円+Tax)」を見つけて
運試しのつもりで買ってみました(笑)



難はクッカー上蓋紛失、バーナーに一部詰まりがあって燃焼が少しおかしい・・・
というものなので、さっそく修理・・・適当な蓋を造り、バーナーの詰まりを清掃して
ガンガンに燃焼するゴキゲンなJETBOILに蘇りました。

  



3月初頭の釣りの時にテストしてみました・・・
豪雨、強風、気温4℃の悪条件でしたが、火力は衰えず、風に吹き消されず
ラーメンを準備していると沸騰・・・「えっ?もう沸いたの?」と仰天です・・・
メーカーの謳い文句は本当のようです。

 



良いことばかりでなく、気になる点もありました・・・
点火装置が壊れやすそうな造りなので、点火不良や、突然死がありそう・・・
雨、風に強いジェットライターなどを携行する必要があると思います。
私のジェットライターはクッカー裏側に収納できました。

 



一般バーナーより風に強いとはいえ、フルカバー風防ではないので
風が直撃すると火が消えてしまいそうです。
使う時は、風が緩い場所に設置したり、携帯風防で囲うなど工夫が要ります。
できるだけ風を当てないことで、熱効率向上にも貢献すると思います。



クッカーの取っ手ベルトだけで持ち上げたりすると湯をこぼしそうになります。
ミニモなど金属取っ手のタイプの方が使いやすいと感じました。

 



専用クッカーを使うと熱の逃げが少ないので、暖房能力は期待できません。
ヒーターアタッチメントを載せると樹脂の筐体が焼けて壊れてしまうかも・・・
従ってJETBOILは暖房機としてあまり期待できないと思うので
厳冬期登山などは暖房に使えるバーナーなども用意するのが確実と思います。



燃料に関して・・・メーカーはJETBOIL純正ガス缶の使用を推奨しています。
また、ネットでは、他社製ガス使用時の燃焼不良発生の報告もありますが
試しに他社のガス缶を使ってみると全く問題ナシ・・・う~ん、どうなのだろう?
よくわからないので、今後もテストしてみます。
ひとつ言えることは、JETBOIL純正が安心で、見た目がカッコイイです(笑)



話変わってSOL(右)とミニモ(左)の比較・・・
えぇと、ミニモは「開封のみ未使用」の爆安品を衝動買いしました(笑)
で、較べてみると、まずはクッカーの形とサイズ、容量の違いが目につきます。
SOLは縦長、ミニモは広口で縦サイズが低い・・・上述の通り取っ手も異なります。
(容量カタログスペック SOL:0.8L ミニモ:1.0L)



バーナーはともにレギュレーター搭載、出力はSOLの方が少し強いですが
ミニモは効率を上げているためか、0.5L沸騰到達時間は殆ど同じです。
(出力カタログスペック SOL:1512kcal/h ミニモ:1404kcal/h)
(沸騰時間カタログスペック SOL:2分15秒 ミニモ:2分20秒)
バーナー形状は同一と思われ、クッカー取付の互換性があります。



SOLと比較したミニモの気になるところは・・・パッキング重量が少し重いことです。
(パッキング実測重量 SOL:633g ミニモ:705g(スタビ、ゴトク、ガス缶込み))



SOL(右)とミニモ(左)のパッキング
SOLはゴトクもクッカーに収納できますが、ミニモは入らないので、クッカーの外になります。
すると、パッキングサイズがSOLより大きくなるので
源流釣りには軽くコンパクトなSOLを使うことが多くなりそうです。
(メジャー実測寸法 SOL:φ10.5cm×高18.0cm ミニモ:φ12cm×高18.5cm)
(体積 SOL:1558cm3≒1.56L ミニモ:2009cm3≒2.01L)



JETOBOIL全般について、私が思うデメリット・・・
内容的にお徳とは言え、やはり高いですね。
バーナー、クッカーなど個別に買えるといいな、と思います。



上述に似ていますが、補修部品が殆ど無いようです。
壊れやすい蓋類さえも部品で出ないのはいかがなものか?と思います。



蓋の注ぎ口の出来が悪く、チョロチョロ注ぐとダラダラこぼれてしまうので
コーヒーが淹れられません・・・写真はミニモですが、他のものも同じようです。



SOTOのサーモスタックカラーリッドがSOLのクッカーにピッタリで
湯の注ぎ具合が劇的に良くなる、というレポートを見て登山用品店で購入。
クッカー内径:95.80mm、リッドのパッキン外径:96.10mm(ともにノギス実測)
きつからず、緩からず SOLのクッカーに絶妙にフィットします。

 



チョロチョロができるので、コーヒーも淹れられるようになりました。
残念ながらミニモに合うサイズがないので使えませんが
マイクロモ、フラッシュ、ジップのクッカー内径はSOLと同サイズと思われるので
使えるかもしれません。
注ぎ口の問題はメーカーさんに見直してもらいたいと思います。



JETOBOILは燃費が良いとはいえ、OD缶なのでランニングコストは高いです。
しかもOD缶はアウトドアショップなどでしか手に入らないのでちょっと不便。
コンビニでも手に入るCB缶(カセットガス)も使えると良いのですが・・・
※参考 ホムセン売りCB缶(ガス250g):100~200円 コンビニ売りCB缶:約300円
    アウトドア店売りOD缶(ガス100g):500~600円



JETOBOILの感想は・・・
メリットもデメリットもありますが
ガソリン4台、ガス4台・・・私が所持するシングルバーナーの中で最も使いやすく
手軽なガス式の中でも最も優れた性能であると思うので
ガス式シングルバーナーを検討される方にお勧めの一台です。

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